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このページは 2008年 01月 06日 11時51分19秒に更新されました。 |
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1960年、東京都江戸川区生まれ。成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。仕事のかたわら小説を執筆。平成9年「池袋ウエストゲートパーク」で、オール読物推理小説新人賞を受賞し、小説家デビュー。翌年、受賞作を連作短編集としてまとめた同名の単行本を出版、ドラマ化され、大きな話題となる。15年「4TEEN」で直木賞を受賞。他の著書に「うつくしい子ども」「少年計数機」「波のうえの魔術師」「スローグッドバイ」「娼年」「骨音」「LAST」「1ポンドの悲しみ」など多数ある。
忘れられない“約束”がありますか？――との作家の問いかけに、たくさんの読者が、心の中のとっておきを、そっと寄せてくださいました。応募総数、149通。どれも、心と心がふれあって、確かに気持ちの交流が起こった、その瞬間の大きな力を思いおこさせてくれるものばかりでした。
約束でした。25年来のつき合いでした。サーフィンを通じて知り合い、毎週末を海で過ごし、まさしく「約束」のヨウジとカンタの関係でした。
半年後・・・先輩のハワイアン・リングをネックチェーンに通し、先輩愛用のサーフボードとウェットスーツで私は波待ちをしています。
今年の夏は雨が少なくて、近くの神社の参道がパサパサに渇いていて、イチョウや桜の大木がさすがに弱ってきたようで見るたびに気がかりでした。
でも駅への抜け道で毎日たくさんの人が通るし、犬の散歩のおじさんおばさんもたくさん来るけど別に気にしている人はいないので、私も木に詳しいわけじゃないし、大丈夫なのかな・・・・・・と何もしないでいました。でもやっぱり水が欲しそうって思ったとき、書店でこの本を見て、このキャンペーンを知って、そうだ私が水を撒こう、これに応募して入選したら水を撒くねって木に約束をしました。・・・・・・実はもう待ちきれずある夜のこと撒水ホースを自宅から運んで公園の蛇口につないで、一時間くらいでしょか、水を撒いてしまいました。なぜか犯罪者みたいにドキドキしましたけど・・・。
本当に一部分しか撒けなかったのですが、ちょっと気が済んだのでその後神社の中を通っても胸が痛まなくなりました。ここのところ結構雨が降るので良かったです。
そのたった一人の息子は14歳と7ヶ月という短い一生を終え、遠い世界へ旅立ってしまいました。6月2日のことです。中学校の体育の時間に突然倒れ、帰らぬ人に・・・・・・。
あまりのことにはじめは涙の出ず、嵐に巻き込まれた様でした。今も事実を受け止められずにいますが息子と別れる時に私が彼の亡きがらに誓った約束は「息子に恥じないように生きる」でした。
夫を亡くし暗い顔をしていても、子育てに疲れていても、体調を崩し、自分のことで精一杯になっていても、私は周りのあたたかい心に助けられてきました。
だから私は約束しました。再び元気に笑ってる自分になることを。私を助けてくれるみんなに。そして、大好きなあの人に・・・。
10代最後の夏休みに父と交わした“東京に行かない”約束。仙台の実家で短大生活を送りながらファッション業界にあこがれ上京を夢見ていた私に、運転免許を取る代わりに父が刺した釘。
その後、地元の専門学校に通うようになり3年後デザイナーを目指し東京のデザイン学校の編入に合格し上京することにした。父は約束のことには一言もふれず伯父が住んでいた吉祥寺にアパートを借りてくれた。
あれから24年。父は今も仙台に母と2人暮らしを続けている。私は一度も結婚することなく、子供も持たず東京で一人暮らしをしている。企業デザイナーとして細々と生活する私になかなか花咲かないなと言った父。帰省の度にもう帰ってきたらどうだと言っていたけど最近はもう言わなくなってしまった。
私が従順な娘だったら父が理想としたスープの冷めない距離に嫁いで孫をあやす父の笑顔を見ることができたのかも知れない。だんだん小さくなっていく父の背中。私にはもう命をつなぐことは出来ないだろう。私が守らなかった約束を父はまだ覚えているだろうか。
“俺達は「どうして万引きしたんだ？」じゃなくて「万引きしてどうするつもりだったのか？」って生徒に聞いてみようよ・・・”。校則でがんじがらめの学校の教員になったばかりのころ、毎日辞めたい辞めたいと思っていたわたしに、同期の彼がかけてくれた言葉です。当事者さえわからない原因を問い詰めるより、目的を明らかにして前を向いて解決していく・・・。
この約束を2人で守って10年目、彼は退職しました。彼は最後まで「本当に自分のやりたいことをやるため」と私に言い続けたけれど、私は「どうして辞めるの？どうして私を一人にするの？」と約束を破ってしまいました。
石塚千恵（滋賀県）、片山甲斐（兵庫県）、鐘築真代（福岡県）、工藤佳子（千葉県）、小松貴志（山形県）、坂本孝子（福岡県）、鈴木千穂（東京都）、高瀬桃子（東京都）、田村貴子（山口県）、堂本なお（北海道）、橋本八重子（千葉県）、原田悠子（滋賀県）半澤順子（福島県）、藤江悦子（東京都）、渡邉純子（愛媛県）、ガブリエル（千葉県）、YUKI☆（大阪府）、はるか（北海道）、A．E（埼玉県）、RINA（福岡県）、裕美（愛知県）、まきこ（大阪府）、千花雪人（京都府）、背番号は55（愛媛県）、大切な花（北海道）、研吾の母（千葉県）、ゆみちゃん（福井県）、M．K（京都府）、M．H（東京都）、いつでも一日遅れ！！
※特賞の方には石田衣良セレクトのパーカー万年筆、入選30名様には石田衣良サイン入りMOLESKINEノートを後日発送いたします。
[ 25] −約 束− 石田衣良
[引用サイト] http://www.kadokawa.co.jp/sp/200407-09/
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